アカイアカイ、ユウヒガアカイ

今日こそ出かけようと思ってたのだが、外を見ると台風の影響か雨。
しょうがないので読書でも。

辛坊治郎の『TVメディアの興亡』、出た当初買ったはずなんだけど、見あたらなくなったので再度購入。
2000年に初版が出てるんで、あくまでもテレビというものをベースに置いてるんで内容が少し古い感じが。

  • 第一章ではアメリカの放送関係者へのインタビューをベースにした話。ニュースのエンタメ化が進んで、コストパフォーマンスの悪い「ニュースを探して報道」って形から「既にあるニュースを取材に行く」ってニュースマガジン的な番組が増えてるとのこと。今から考えると双方向テレビに関してあまりにも楽観的な感じが。
  • 第二章、三章ではアメリカでの地上波、ケーブル、CS放送の話。何で平日7時台にネットワーク局は『Geopardy』『Wheel of Fortune』みたいなクイズ番組や『Hard Copy』『A Current Affair』みたいなタブロイド番組、そして『Entertainment Tonight』みたいな芸能番組しかやってないのか疑問に思ってたんですが法的にダメだったんですな。昔UHBで『さんまのまんま』を金曜7時に流してたみたいなものか。
  • 第四章、第五章はソフト供給側の話。ソフト企業を手に入れても、その資産をうまく流すための出口(ケーブル局とか)が無ければ収益は見込めないって事で、松下とMCAの話やテッド・ターナーとMGM、ハンナバーベラの話とか。あとNFLの放送権料の話、ここで書かれてるのは2005-2006シーズンまでの契約の話なんで、たしか今シーズンからMonday Night FootballはESPNだったかな(うろ覚え)。
  • 第六章から第八章までは日米のデジタルテレビに関しての話。この時点ではまさか本当に2006年に全国で地デジが(順次)開始されるとは思わなかったのかな「この計画は発表と同時に挫折してしまった」って書いてるし。
  • 第九章はまとめ。キー局は新しい媒体の確保を進めるかダウンサイジングすべきなんだけど受け手としては前者は情報支配、後者はその間隙に編集されないインターネットからの信用できない情報が氾濫するおそれがあるしネット情報は「絶対に現在のマスメディアの代替となるものではなく、またそうなってはいけない」って事らしいです。

ある面で正しいし、ある面で間違ってるような気もするねぇ。

既存システムを完全に無視するとキー局は(「死んだふりをしている」と書かれてたけど)BSデジタルで全国に配信して、地方局は地域で1〜2局でコミュニティFM局みたいな感じにした方が(視聴困難地域はCSで再配信で)コストパフォーマンス的にもいいと思うけどなぁ。みんな思ってるんだろうけど。

まねきTVのサイトを見ながら思いました。

そんな事を考えながら読み終えて外を見ると夕日が。街全体がオレンジの光に包まれたようなヘンな感じでした。