鍋津神

今月に入ってから半端無く忙しかった日々もやっと一段落ついて、昨日買った施川ユウキ祭り(『鬱ノジ曰くフェア!!』らしい)三作を立て続けに読む。

『バーナード嬢曰く』。本を読んでる雰囲気が好きで図書室に通う町田さわ子(バーナード嬢)、それが気になるあまり図書室ストーカー状態の遠藤くん、その遠藤くんを見つめる図書委員の長谷川スミカ、さわ子の半端マニアっぷりがむかつく読書家(SFマニア)の神林しおりの図書室デイズ。いかに読まないで本の内容を分かった気になるかを無意識のうちに追求するド嬢の努力には頭が下がる。あと、確かに映画化決定とかアニメ化決定とか帯にある本は買いづらいな…

『鬱ごはん』。就職浪人生・鬱野たけしと、うまくもない食事をするときに出てくる黒猫のような妖精の食事風景を淡々と描くまんが。一人で食事する客があまりいない店で一人で食事するときの他の客の視線というのは想像以上だよな。あと、餃子の回に出てくる叔父さんがどうも身につまされる。読んでてだんだん暗くなるんだけど、その暗さが心地よい。

『オンノジ』。だれもいなくなった街に残された少女の話。街もちょっと変化しているようだけど、その過程で自分が何者だったか覚えていないことに気づく少女ミヤコ。そのうち街で何か(後で"オンノジ"と名付けられるのだけど)の存在に気づく。
表面的には誰もいない街をエンジョイしてるように見える少女とオンノジなのだけど、実際には今後どうなるか分からない不安がある二人。でも世の中がわからないより自分がわからないのが怖い、でもその怖さをオンノジとの関係で克服していくまんがなんだと思った。
怖い、でも大丈夫。
あとがきに連載開始時期についてのコメントがあったのだけど、やっぱり影響ってあるのかなと思った。

各単行本の巻末には『それぞれのキャラが互いの作品を読んだら』って巻末まんがが載ってます。